この件はずっと前から書こうと思っていたのですが…
ミニベロ(小径車)の多くは大柄な人に向いており、小柄な人や女性には向きません。もちろん子供にも。
ミニベロも(というよりスポーツ車全般も)ブームが終息し、あまり売れなくなってきたようなので今更ですが。人気がなくなったてきたのもこの問題が大きいと思います。
小柄な人が乗ると疲れやすいし、不自然だし、あちこち痛くなったり。やっぱりママチャリのほうが楽、なんて思ってしまう。
身体に合っていない自転車に長時間乗るのはほとんど拷問です。
小柄な奥さんに自分と同じミニベロを買い与えて高価なパーツに付け替える人もいますが、それ以前に大事なことはフレームが身体に合っているかどうかです。20cmも身長が違うと合うわけはありません。ハッキリ言ってパーツなんか安物で十分でしょう。一般に流通しているものをきちんと整備して使う分には。
自転車は身体に合ってナンボのものです。背に腹は代えられません。
ミニベロのサドルやハンドルは高さが変えられるし、変えられない場合も部品交換で何とかなることが多いので殆どの人には問題ないですが、問題はトップチューブの長さです。
殆どのミニベロ(小径車)はトップの長さが水平換算で560~570mmもあり、これは身長175~180cm位の人にちょうど良い長さです。成人男子の国際的標準体格(要するに日本人より手足長め)の人を想定して作られています。
私の持っているダホンのボードウォーク(DAHON Boardwalk)で570mm位、ステムの突き出しは70mm位あります。BD-1なども同じ位です。
身長163㎝の私ではハンドルが遠すぎる。520~530mm程度が適切です。ドロップやブルホーンだともう少し短いくらいが良い。
サイズが2種類あるものだと良いのですが。それでもSサイズで155cm位からでしょう。平均的女性以上の体格でないと合いません。
メーカー側はこの問題をごまかすためか、小径車(ミニベロ)の場合、スケルトン(ジオメトリー)を明らかにしていない場合が多いですが、ネット上の写真から解析すると、概算でわかります。車輪の径から算出します。
タイヤ周長はココで見るとわかります。π(ゆとりの人も3ではなく3.14ね)で割れば直径がわかる。
http://www.cateye.com/jp/tire_guide/
ほぼ1/10で図にしてみました。CADなんかなくてもオフィスで十分です。
もうすでに買って乗っているけどハンドル遠すぎる、という人もいるでしょう。
この問題に対処するにはアップハンドルにすること。ハンドルの持ち手が少し手前になります。
それでもダホンの20インチの場合だと155cm以上はないと厳しいですが。
フラットハンドルは解剖学的、運動学的に不自然で、長く乗ると腕や手が痛くなって当たり前、メリットが殆どありません。この問題はいずれ具体的に述べるつもりですが。
敢えてメリットをあげるなら外乱に強い、咄嗟に対応しやすいこと、あとは多少はコンパクトにはなるというのが小径車にとってメリットでしょうか。MTBやパスハンター以外には合わないものです。
ニットー(NITTO) B307AA セミドロップバーは435mmと幅が狭いのでミニベロ向き、小柄な人向きです。
折りたたむときはハンドルの向きも変える必要がありますが。
このハンドル、幅狭なのは良いんだけどグリップの直線部が短く、長いグリップをつけるとブレーキレバーがつけられない。短めのグリップでもブレーキレバーとシフターの両方は厳しいかもしれず、シフター一体のブレーキレバーにした方がよい。
あと2cmでも長ければ良いのに、子供用なのだろうか?
他に幅が狭いアップ(セミドロップ)ハンドルはなさそうなんだが。
もちろん上下逆さというか本来の向きにする。セミドロップは長時間乗車には向かない。
アップハンドルはママチャリのイメージかもしれませんがツーリング向きです。
私はこのハンドルをアップで前後逆につけて乗っています。それでも少し遠めですが、フラットよりはるかに乗りやすい。
乗員から見てM型ではなくW型、ハの字ではなく逆ハの字型です。
グリップが5~10度くらい開いているか、もしくは平行なものはこのような逆付けが乗りやすいですが(やってみるとわかる)、大きく手前が開いているものだと、普通の向きにするしかないです。
それでもまだまだハンドルが遠い人もいると思います。DAHONだと身長155cm以下位。
ルチバーにするとかなりグリップが前にきます。
マルチバーは私の嫌いなフラットハンドルと同様に横バーを持つのがメインになりますが、それでもセッティングの自由さと、持つ場所を変えることができるのでフラットよりは余程良いです。マルチというほどマルチではないけど背に腹は代えられない。
少しかさばるのと重くなるのが欠点ですが。ハンドル周りのモーメントが大きくなるのでイマイチ軽快さに欠ける。アクセサリー類(ライトやメーター、スマホなど)がたくさんつけられるはメリットか。
プロムナードバーもかなりグリップが手前になりますが幅の広過ぎるものしかないので、ブルホーンを前後逆に付けると良いかもしれません。やっているひとは(ネットでも)見たことがありませんが。
ブルホーンは幅が狭いのでなるべく広めが良く、90度以上角度が付いていても(内側に曲がっている)問題ありません。むしろ持ちやすい。
先端が少し曲がっている方が前後上下とも逆につけると、手前を持った時に手掌に優しいかもしれません。
注意すべきは殆どのブルホーン・バーは直径がドロップと同じ26.0/23.8mmです。これだと元のブレーキレバーやシフターやグリップがぶかぶかになってしまい固定できません。フラットやアップハンドルは25.4/22.2mmなので。
種類は少ないですが、最近は25.4/22.2mm径のブルホーン・バーもあり、Amazonなどにも出ているのでそれが良いでしょう。
ブレーキレバーはブリジストンのように真ん中付近に付けるのではなく、縦のバーに着けたほうが良いと思います。
ハンドルを変えるには厳密にはフレームも変える必要があり、ハンドルだけ変えても「適正なポジション、適正な自転車」になるわけではないですが、背に腹は代えられません。
いずれにしてもそうそう厳密に実現できるわけではないし、乗り方だっていろいろだし乗り手だって疲れているときもあればいろいろです。全く身体に合っていないよりは、多少はちぐはぐでも大体あっていれば悪くはありません。
ハンドルは高めで、サドルもスプリング付きかコンフォート系にする必要があるかもしれません。
それとクランクも長すぎます。昔は165mmが標準でしたか、これも今はグローバル化の影響か170mmが標準でほとんどのミニベロ(小径車)に限らずほとんどのスポーツ車は170mmです。
どんな場合でも身長の1/10を超えないほうがよく(身長×0.09という説もあり)170mmだと少なくとも身長170台後半はないと厳しいです。
165mmのクランクは割に手に入りますが、それより短いものは少ないです。シマノでは作っていません。
ネットなど探すとないわけではないですが高いものが多い。152mmは子供用ですがよほど頑強な人でなければ問題はないと思います。
クランクだけでなくBBも低くすべきですが、それはフレームを変えないと不可能です。フレームそのままでも長すぎるより短い方が良いです。ミニベロ(小径車)はシート角が寝ているものが多いですが、その点でもショートクランク向きです。
小柄な人や女性がスポーツ車に乗る場合、同様な問題がありますが、ミニベロ(小径車)の場合は見かけに騙されやすいし、適正身長が表示されているといっても一応乗れるというだけで、真ん中近くの人でなければまともには乗れません。
普通の自転車より適用範囲が広いということはなく、ステムの突き出しが変えられないなどむしろ対象者の範囲は限られます。
結局のところ、フレームサイズも、フラットハンドルも、クランクの問題も業界が目先の利しか考えないためで、ユーザーのためにならないばかりか、自分たちで自分たちの首を絞めている。
むしろ自転車の普及を妨げ、ゴミも増やしている。
コスト重視が悪いわけではありませんが、大事なことをおろそかにしてはいけません。メーカーや販売側はプロでユーザーはマニアであってもほとんど素人です。
こうしたことは企業の社会貢献に反したことですが、自転車業界にはこうした面が多々あります。
(医療なんかもっと酷いけど。)
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